2052 今後40年のグローバル予測 〜 ヨルゲン・ランダース

個人的にはちょっと偏っている印象

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■5つの主要な問題

・資本主義
・経済成長
・民主主義
・世代間の平等
・地球の気候と人間の関係




■40年後の世界、主なポイント


・都市化が進み、出生率が急激に低下する中で、世界の人口は予想より早く2040年直後にピークとなり(81億人)、その後は減少する。2052年には2012年の水準になる。

・経済の成熟、社会不安の高まり、異常気象によるダメージなどから、生産性の伸びも鈍化する

・人口増加の鈍化と生産性向上の鈍化から、世界のGDPは予想より低い成長となる。それでも2050年には現状の2.2倍になる

・一人あたりGDPは2050年まで増えていき、21世紀後半で頭打ちとなる

・資源枯渇、汚染、気候変動、生態系の損失、不公平といった問題を解決するために、GDPのより多くの部分を投資に回す必要が生じる。このため世界の消費は、2045年をピークに減少する

・食糧生産は2040年に現在より60%増加したところで頭打ちになる

・エネルギー消費量は2042年にピークに達し、暫く横ばいに

・太陽熱・太陽光は2052年には全エネルギー生産の37%を占める再生可能エネルギーの主力選手となる。それ以外は石炭23%、ガス22%、石油15%、原子力2%

・CO2排出量は2030年にピークをむかえ、2052年には現在の水準にもどる

・資源と気候の問題は、2052年までには壊滅的なものにはならない。しかし21世紀半ばごろには歯止めの利かない気候変動に大いに苦しむことになる

・資本主義と民主主義は本来短期志向であり、ゆえに長期的な幸せを築くための合意がなかなか得られず、手遅れになる

・以上の影響は、米国、米国を除くOECD加盟国(EU、日本、カナダ、そのほか大半の先進国)、中国、BRISE(ブラジル、ロシア、インド、南アフリカ、そのほか新興大国10ヶ国)、残りの地域(所得面で最下層の21億人)で大きく異なる

・予想外の歯医者は現在の経済大国、なかでもアメリカ(次世代で一人当たりの消費が停滞する)。勝者は中国。BRISEはまずまずの発展を見せるが、残りの地域は貧しさから抜け出せない。