2010-01-01から1年間の記事一覧

無限論の教室〜野矢茂樹

・「実無限」・・・無限のものがそこにあるのだと考える立場 ・「可能無限」・・・可能性としてのみ考えられる無限。無限が完結した実在として存在するとは考えない ・可能無限の立場では、√2というのは数字ではない、と言います。√2というのは、各桁の数字…

生物と無生物のあいだ〜福岡伸一

・ウイルスは栄養を摂取することもなく、呼吸することもない。幾何学的な美しさを持っており、結晶化することさえできる ・単なる物質から一線を画している唯一の特徴が自己複製能力を持つところ。 ・DNAは二重螺旋の構造を持っており、対構造をしている。 …

宮沢賢治

■注文の多い料理店P256 その笑い声の洪水は空を流れて遥か遥か南へ行ってねぼけた雷のようにとどろいた

カント

・ドイツ出身の哲学者(1724年4月22日 - 1804年2月12日) ・ドイツ観念論哲学の祖 ・『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』が有名 『純粋理性批判』・科学の成立根拠を問うと共に、経験に基づかない「形而上学」を批判する試み ・感性は「直観…

記号論への招待 〜 池上嘉彦

P5 人間が「意味あり」と認めるもの。それはすべて「記号」になるわけであり。そこには「記号現象」が生じている。 P10 人間は自分の周りの事物に対して意味づけをしないではいられない存在である。しかもその際の意味づけは、すべて人間である自らとの関連…

実戦・日本語の作文技術 〜 本多勝一

■日本語の語順 1.述部が最後にくる 2.形容する詞句が先に来る 3.長い修飾語ほど先に 4.句を先に ■かかる言葉と受ける言葉は直結せよ ×美しい水車小屋の娘 ○水車小屋の美しい娘※形容詞は誤解が生じやすいから注意 ■テンの二大原則 1.長い修飾語が2つ以上ある…

イースター島の石像(30トン)の立て方

・頑丈な木の棒とたくさんの石を用意する ・男たちが棒を使って石像を動かそうとする ・わずかに地面との間に隙間ができれば、長老が小さい石を隙間に入れる ・次に隙間が少しでも大きくなるとさっきより大きな石を入れる

はじめての認知心理学 〜 伊藤進

・行動心理学では心をブラックボックスとして扱い、刺激と反応だけを問題にした ・認知心理学では情報処理モデルを作りながら、それを基に心のすがたを描き出す ■情報の図と地・図と地は膨大な情報量を頭が処理する上での基本戦略。これにより膨大な量の情報…

ハイデガー

【ハイデガー入門〜細川亮一】 P23 アリストテレス存在論の基本テーゼは「存在者は多様に語られる、しかし一との関係で(一へ向けて、プロス・ヘン)」 →ハイデガーはその「存在の多様な意義の一性」を時間に求めたP38 「存在と時間」の狙いは「存在は時間か…

無からの創造

時間も空間も物質もない「全くの無」から議論を始める現代の物理学者はライプニッツの問いを、「なぜ存在者があるのか、むしろ「無」があるのでなないか」と「無」を大文字にして読み替えたハイデッガーのほうに親近感をおぼえるかも知れない。なぜなら相対…

時間論 〜 中島義道

・過去中心主義から見た時間論 ・同著者の「時間を哲学する」のほうが分かりやすいが、内容はこちらのほうが深い P30 過去という観念にはすでに現在という観念が含まれている。なぜなら、第一に過去とはそのとき現在であった時なのであり、第二にこの現在に…

時間を哲学する 〜 中島義道

・過去中心主義から見た時間論 ・同著者の「時間論」と内容はほぼ一緒 P44 夢を見ている「あいだ」はそれが夢か現実か判断できない。醒めた後に初めて決まるのです。 P45 認識とは不在のもの(<いま><ここ>にないもの)に対する態度 P85 過去は場所では…

エロティシズム〜Fアルベローニ

・男女の違いを基にしたエロティシズムの考察 ・風俗的な要素が高い。実践的でもある ・どことなく表面的な印象P11 男のエロティシズムがより視覚的、生殖的であるのにたいして、女のそれはより触覚的、筋肉的、聴覚的である P34 エロティシズムはすべてを無…

ホーピー族

アリゾナ州北部に住むネイティブアメリカンでホーピー族と言う部族の話である。彼らの言語体系のなかには過去・現在・未来に該当する言葉がないのだという。彼らにとっての世界は「開示されたもの」と「開示するもの」の二つの有り様しかない。過去の事象と…

スコプツィ派(自己去勢の例2)

19世紀末東ヨーロッパで異端キリスト教スコプツィ派が流行。 鞭打ち苦行→去勢により天国に入れる。 男性信者は「地獄への鍵」のタマをとり、ついに鋏や斧でサオも切る。 女性信者は乳房、クリトリス、大陰唇を切除した。 切除は祭り状態の中で行われた。(詳…

キュベレー崇拝(自己去勢の例)

もっとも熱狂的なキュベレーの信奉者は、みずからを聖なる儀式で完全去勢した男性たちで、この儀式の後、彼らは女性の衣装をまとい、社会的に女性とみなされた。同時代の注釈家であるカルリマコスは彼らを、女性名詞の Gallai (ガッライ、ギリシア語複数形…

エロティシズム〜澁澤龍彦

・エロティシズムに関して23のテーマに対する考察 ・澁澤龍彦の世界観に従い、実例が色々と紹介されている ・深くはないが、入門編やインデックスとしては価値があるのでは P38 「愛の自然的条件」・・・顔の魅力とか肉体の美しさとか、声の質だとか、それら…