言葉と無意識

P73
独自の生を特殊な体験として生きているにもかかわらず、恣意的文節である言語の網に絡み取られ、その結果各人の価値観が等質化・画一化されている


P199
関係が<物>を産み出す


P206
羞恥は実体ではなく、関係であるが故に時代・場所・男女・年齢層によって無限に変化する、すなわち<特定共時的文化>におけるその形態は千差万別たり得るのである


P212
「動物は死なないのではないだろうか。人間のみが死に至るのであって、死が生々しい問題を課すのである」
「死とその恐怖は人間が動物的状態から離れるとき最初に得たものの一つなのである」(ルソー)
「私達が死と呼んでいるものは、私達の死に対する意識」(バタイユ


P219
人間をも含めた生ける自然とは驚くべき繁殖、過剰、とめどもない浪費であって、存在し生きること以外には何の目的も持たない。それは何よりもまず<生>であって、生きる能力と活動であり、絶え間ない戯れであり、さまざまな形をとる奢侈であり、<死>すらもこのような豊穣の一つの側面に過ぎないのである。



「ロゴス」
・言葉・議論・計算・比例・尺度・理法・理性・根拠・・・・・
・一定の尺度に従って、多種多様な異物を一つのカテゴリーに集約する。秩序化・統一を含む概念
・ロゴスとしての<名=言葉>があって初めて世界は分節される。始原的文節を可能にする言葉


「パトス」
・情感
・言葉以前の知覚・ロゴスに対比されるもの・二項対立の弊害
・実際はロゴスと対立するものではなく、ロゴスそのものの深部にある「動くゲシュタルト」である


「ランガージュ」
・人間が持つ普遍的な言語能力・シンボル化活動


「ラング」
・社会制度としての言語
・日本語・英語・フランス語など
・その社会固有の価値観を持つ構造


パロール
・現実に行われる発話行為
・特定の話者によって具体音の連続