エロティシズム〜澁澤龍彦

・エロティシズムに関して23のテーマに対する考察
澁澤龍彦の世界観に従い、実例が色々と紹介されている
・深くはないが、入門編やインデックスとしては価値があるのでは



P38
「愛の自然的条件」・・・顔の魅力とか肉体の美しさとか、声の質だとか、それらを含めた全体の印象のように、特定の対象の上に欲望を定着させるもの

P70
バタイユ「究極の連続性とは死に他ならず、死の魅惑がエロティシズムを支配している。エロティシズムとは死に向かう暴力であり、禁止に対する侵犯である」

P72
バタイユ「決定的な行動は裸にすることである。裸体とは、閉ざされた状態、つまり、非連続な生存の状態に対立するものだ。裸体は一種のコミュニケーションの状態であって、反省の彼方に、存在の可能な連続性の探求を啓示するのである。私達に猥褻感を与える、この秘密の通路から、肉体は連続性に向かって開かれる」

P107
E.シュトラウス「性的倒錯は、エロス的選択が本質的に価値的なもの、たとえば美によって規定されているような場合にのみ出現し得るのである。倒錯は肯定的な価値の反対の方向に向かう。したがってサディズムはつねに反省的行動であり、行動による価値の否定である。破壊、侮蔑、涜聖、要するに自己自身および相手を歪曲することが、倒錯による快楽の源泉である」

P227
裸になるということは単純化の理想を求めることであり、堕落した現在の生活を打ち破って、原初の楽園の理想を一挙に実現することを意味する