実戦・日本語の作文技術 〜 本多勝一

■日本語の語順
1.述部が最後にくる
2.形容する詞句が先に来る
3.長い修飾語ほど先に
4.句を先に


■かかる言葉と受ける言葉は直結せよ
×美しい水車小屋の娘
○水車小屋の美しい娘

※形容詞は誤解が生じやすいから注意


■テンの二大原則
1.長い修飾語が2つ以上あるとき、その境界にテンをうつ
2.語順が逆になったときにテンをうつ


■テンの原則(実戦)

1.文の主題となる語の後に打つ
(1)叙述の主題となる語の後
(2)助詞のつかない主語の後


2.役割の同じ語句が並ぶ場合、その間に打つ
(1)重文の場合
(2)一つの文の中に、述語が2つ以上ある場合
(3)語句が2つ以上並ぶ場合(・でもよい)
(4)同格関係の語の間


3.叙述に関する限定や条件を表す語句にうつ
(1)限定や条件を表す前置き分の後
(2)限定や条件などをあらわす文を主文の間に間に挟む場合。はさんだ文の前と後
(3)時・場合・場所・方法などを現す語句が、文全体を限定する場合、その語句の後
(4)接続詞の後
(5)文の初めに用いる副詞の後
(6)感動詞・呼びかけ・応答などのことばの後、また間投詞の後
(7)語句を隔てて修飾する場合、または、並列したいくつもの語句を修飾する場合、修飾する語の後に打つことがある


4.文の成文を統治した場合
(1)主語が文の中間に置かれた場合、その前に打つ
(2)述語が文の中間に置かれた場合、その前に打つ


5.会話文・引用文などカギで囲んだ前後
(1)カギの前では必ず打つ
(2)カギを「と」で受けて、それが叙述のことばに直接続かない場合は、「と」の次に打つ


6.読み誤りや読みにくさを避けるために打つ
(1)読み誤りを避けようとする場合
(2)読みにくさを避けようとする場合


7.息の間や読みの間のところに打つ