記号論への招待 〜 池上嘉彦

P5
人間が「意味あり」と認めるもの。それはすべて「記号」になるわけであり。そこには「記号現象」が生じている。


P10
人間は自分の周りの事物に対して意味づけをしないではいられない存在である。しかもその際の意味づけは、すべて人間である自らとの関連で行われる


P17
一つの言語を習得して身につけるということは、その言語圏の文化の価値体系を身につけ、何をどのように捉えるかに関して一つの枠組みを与えられるということである


P21
言語の実用的な機能が人間の文化の秩序を形成し維持するささえとなるものであれば、美的機能のほうはそれを揺さぶり、変革し、新しいものを生み出していく創造的な営みと深く関わっているわけである


P32
「意味作用」−「表現」−「伝達」という系列は順次に包摂の関係を構成している。


P37
コミュニケーションとは、自分が頭の中に抱いている抽象的な広義の思考内容のコピーを相手の頭の中にも創り出す行為であると言える。