ホーピー族

アリゾナ州北部に住むネイティブアメリカンでホーピー族と言う部族の話である。

彼らの言語体系のなかには過去・現在・未来に該当する言葉がないのだという。彼らにとっての世界は「開示されたもの」と「開示するもの」の二つの有り様しかない。

過去の事象と現在の事象は区別されずに「開示されたもの」と言う言い方でひとくくりにされる。未来に起こることと、目に見えない心のなかで起こることは、未分化の状態のままで「開示する(される)もの」と呼ばれる。


つまり彼らにとって、世界とはすでに時間を超越して「在る」もの、たとえていえばすでに「書かれてある本」のようなものなのかもしれない。

世界はすでに開かれて読まれた頁とこれから開かれて読まれる頁の二種類にわかれるが、本そのものはすでにあるのである。

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~irie/mori/entrance/ikeda/index.htm