無からの創造

時間も空間も物質もない「全くの無」から議論を始める現代の物理学者はライプニッツの問いを、「なぜ存在者があるのか、むしろ「無」があるのでなないか」と「無」を大文字にして読み替えたハイデッガーのほうに親近感をおぼえるかも知れない。なぜなら相対論的場の量子論を基礎として語られる「無からの創造」は、根拠律の適用不可能な偶然性の所産であって、創造主という絶対的な有を根拠とするというよりはむしろ「創造主なき創造」という一面をもっているからである。創造的であるのは、何らかの有ではなくて有無の対立を越えた真空なのである

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